日本の弁護士保険の歴史

本日は、弁護士(費用)保険の歴史について少しお話ししようと思います。

 

弁護士保険は、伝統的には「権利保護保険」と言われてきました。これは、ドイツ語「Rechtsschutzversicherung」の邦訳によるものです。最近では、「弁護士保険」または「弁護士費用保険」という名称が一般になりつつあります。ヨーロッパやアメリカでは、従前より弁護士保険は普及していましたが、日本での歴史はまだ20年にも満たず、後発的に海外の事例を元に研究し、商品開発を行ってきたという歴史があります。

 

日本弁護士連合会(以下「日弁連」といいます)では、1970年代より(私が生まれるより前!)権利保護保険制度の研究は続けられていたとされています。その後、1999年に権利保護保険制度推進の基本方針が日弁連理事会で決議され、2001年には日弁連内に弁護士保険を取り扱う独立した組織LAC(リーガルアクセスセンター)が発足します。これにより全国の弁護士会が保険契約者に弁護士を紹介する仕組みが整うことで、日本の弁護士保険制度は飛躍的な発展を見せます。

 

2001年当初は1万件程度でしたが、自動車の損害保険に付帯する特約としたことで年々加入者数は増加し2013年には契約者数2000万件を超えるものになりました。しかし、この商品は自動車事故を対象する為、欧米にあるような幅広いトラブルに対応する弁護士保険ではありませんでした。そんな中、同年プリベント少額短期保険株式会社が『Mikata』という個人のトラブルに幅広く対応する単独型の弁護士保険を発売し、次いで2015年には、損保ジャパンから『弁護のちから』という商品が発売され弁護士保険の利用範囲が広がることになりました。

 

このように、弁護士保険は近時、新たな動きを見せている中で、「中小企業こそが弁護士を必要とするトラブルのリスクが多く、需要がある」と考え、私は、弊社を起業すると決めたのです。

 

例えば、日弁連は2017年に

中小企業・小規模事業者に対する法的支援を更に積極的に推進する宣言」を出しており、その中で

「中小企業・小規模事業者から弁護士への相談・依頼に要する費用を保険や共済制度等で賄うことができるようにして、費用面でのアクセス障害の大幅な改善を図るべく、弁護士保険あるいは弁護士費用に関する共済制度等の研究・開発を検討・推進する」

ことが謳われています。

中小企業向けの弁護士保険は、日弁連としても待望の商品であり、中小企業支援施策としても重要な柱になるものと考えています。